理事長あいさつ

 このたび、文化看護学会の第5期理事長を務めることになりました千葉大学の岡田と申します。

 文化看護学会は、千葉大学看護学部が21世紀COEプログラム 日本文化型看護学の創出・国際発信拠点に採択され、この事業が終了する際に文化に根ざした看護学―『文化看護学』の実践、教育、研究を、学際的かつ国際的な視点から充実・発展させる学術組織として2007年10月に設立され、2021年で創立14年目を迎えます。第6回学術集会を国際ヒューマンケアリング学会のトランス文化看護とケアリング分科会として京都で開催したことを契機に、第8回は群馬大学、第9回は沖縄県立看護大学、第11回は大阪大学、第12回は神戸大学と千葉大学以外でも学術集会が開催されるようになりました。それに伴って70名余りでスタートした会員も現在200名を超え、千葉大学以外の会員も増加しています。学会誌のJ-stageへの登録、今回の学会ホームページのリニューアルと、文化看護学に関わる研究成果や学会の活動を広く発信する体制が整いつつあります。

 皆様もご経験されているように、COVID-19のパンデミックは対面を当たり前としていたコミュニケーションのあり方に大きな変化をもたらしました。COVID-19の感染拡大が収束したとしても、第2、第3のパンデミックは必ずやってきます。COVID-19によってもたらされた新たなコミュニケーションのかたちは、その便利さも加わり、私たちの生活に定着していくでしょう。このようなコミュニケーションの手段の変化は、当然人と人のかかわりによって形成される文化にも、対象者とのコミュニケーションをその一部に内包する看護という行為にも影響を及ぼします。さらに感染リスクから人との接触を最小限にすることが要求され、看護師が自身の感覚を使って患者の身体をとらえることや、これまでと同じような丁寧なケアを提供することが困難になっています。

 このようにウィズ・コロナ、ポスト・コロナの時代には、文化看護学にとって議論し、記述すべき多くの研究課題があると推測されます。21世紀COEの成果として導き出された文化看護学の特徴を見出す4つの視点「関係性」「社会・組織文化」「身体性」「価値観」から、ウィズ・コロナ、ポスト・コロナの時代における「文化に根ざした看護」とは何かをもう一度捉え直す必要があるのかもしれません。

 第5期では、このような新たな文化看護学の研究課題について学術集会での活発な意見交換や研究発表ができるよう、そしてその成果を学会誌やホームページを通じて広く発信できるよう、役員一同努めてまいりたいと思いますので、会員の皆様のご協力、ご支援を今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 また、文化の研究は学際的なものであり、他の学問領域、すなわち看護学にとっては異文化との出会いは、文化看護学の発展につながると期待されます。看護以外のバックグラウンドをお持ちの方の入会も心よりお待ちしております。

文化看護学会第5期理事長 岡田 忍